enjoy ソロシーン!

シニア世代の食シーンの中心は、基本的にソロシーンといっていい。

日常的にソロめし、ソロごはんなのだ。前回ご紹介したおばあちゃんの晩ごはん、素敵でしょ。これは『食べたい力』という2017年に出した私たちの本にでているものだが、これは日記調査からの発見でした。これもエスノグラフィ。ヤオコーで買ったお弁当の内容もなかなか良いものだが、それを中心に様々な漬物が彩をそえ、みそ汁がセットされているところがソロごはんの極意といっていい。お弁当で簡便、時短を実現しているからこそ、そのまわりの彩りをそえるゆとりができ、食を楽しめているのだ。因みにこのおばあちゃん、食事の時間は約小1時間。ゆっくりと食べるということに手間暇をかけることを惜しんではいないのだ。

シニアにはソロごはんが似合う。もちろん、食欲もなく気分が落ち込んだりしている時には、何も無理はしない。めりはりをどうつけるかなのです。


こんなことから、enjoy ソロシーン!というプロジェクトでもつくりたい気持ちです。前回書いたようにソロめし、ソロドリップコーヒー、ソロワイン、ソロバーボン、ソロスイーツ、そしてソロスモーキング(笑)。ソロウォーキングでもいいし、ソロツーリングもありでしょう。もちろん、青空シーン、外シーンが似合うけれど、ちょっと庭にでても、ベランダでも、テーブルを窓辺に寄せるだけでもいいのだ。

このことから日常の中のソロシーン、ソロごはんを楽しむコツが生まれてくるし、道具へのちょっとしたこだわりも生まれてくるでしょう。

こんなソロシーンを大切にすることがあって、「集い」のシーンの楽しみもふくらんでくるといえる。もちろん「集い」のシーンは、日常というよりも非日常かもしれないが、これらのシーンのバランスが気持ちのスイッチをコントロールすることになるのです。

この全体像がサロンでもお話した「価値ある食シーン」というフィールドノートで整理したことなのです。


さて、シニアの食シーンの中でソロごはんと同じように大切だなあと思えたのが、ふたりめし、格好良く言えば「デュオめし」。

このお弁当を持って、60代のご夫婦がお出かけをしたということが日記調査にでてきた。これが青空ごはんに注目してみようと思ったきっかけでした。この続きは次回に。


辻中俊樹

Locanda世田谷マーケティングサロン

世田谷発マーケッターのためのサロンを定期的に実施しています。

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